●品種は何と300種類以上●
桜の品種は変種まで含めると300種類とも400種類ともいわれています。ヤマザクラ、エドヒガン、マメザクラ、チョウジザクラ、ミヤマザクラ、ヒカンザクラ、シナミザクラなどの各群を母種として、現在では、花の色、形、枝の付き方などの異なる品種がたくさん存在するようになりました。中でもヤマザクラ群のオオシマザクラは、多くの品種の母種となっていることで知られています。オオシマザクラは伊豆大島に自生しており、それが名前の由来になったようです。桜の代表的な品種であるソメイヨシノも、オオシマザクラの系譜を受け継いでいると考えられています。単に桜といっても、有名な品種はそれぞれ大きな特徴を持っています。たとえば本州に分布する江戸彼岸桜は、大きく長生きする早咲きの桜で、北海道に多く分布する千島桜は、最も高地で開花する品種としてよく知られています。また沖縄は琉球の寒緋桜は日本で一番早く咲く桜として有名で、開花時期は1月で、まるで梅のように濃いピンク色の花を咲かせます。●桜の代名詞ソメイヨシノ●
現在、桜といえば何といってもソメイヨシノです。しかし、伝統的な品種かというと、そうではありません。元はエドヒガンとオオシマザクラの交配だと考えられています。江戸時代中期ごろにはソメイヨシノがあったようですが、命名されたのは明治時代だといわれています。さらに戦後になって日本中に植えられたことで、全国的に分布する最もポピュラーな品種となりました。日本において、桜、お花見の基準はソメイヨシノに置かれています。ソメイヨシノの開花から満開までの期間は約1週間です。関東地方での開花期は3月末から4月上旬頃が目安となっています。そんなソメイヨシノですが、厳しい気候や病気に弱いという傾向があります。また、特徴としては寿命の短さも挙げられます。もちろん老木も存在しますが、普通、寿命は60〜70年で、他の桜に比べて短命だといわれます。●桜が激減の危機!?●
日本で私たちがお花見している桜は、大抵がソメイヨシノです。さらに、全国に分布している大半は、戦後に植えられた1本の木がもとになっていると考えられています。よって、戦後60年を経た昨今、多くのソメイヨシノが寿命を迎えているのではないかといわれているのです。このため、現在多くの場所で植え替えや他品種との混合などにより、公園や桜並木の延命作業がおこなわれています。とはいえ、もちろん数十年単位でなら、ソメイヨシノ自体を長生きさせることも可能です。上で紹介した弘前公園のソメイヨシノなどは、その代表でしょう。樹齢が約120年のものも存在します。弘前のソメイヨシノは、かねてから延命作業が行われてきた成果だと考えられます。